「よ―し、そろそろ始めるぞ~」

会長の蝉川さんが、白板の前に立って会議が始まった。


「あーその前に…

今日からメンバーが、1人増えたからな~」

会長の横に、背の高い茶髪の男の子が立っていた。

色白で線の細い…明らかに美男子だ。
およそ登山同好会には、思えない容姿。


「長谷部 毅、国文の一年生です…
宜しくお願いします」

予想通りの細い声…

あれ…この人、この雰囲気は何処かで――


私の横を見ると、彩香が彼をジッと見詰めていた。

確かに、誰が見ても美男子だからなあ…



人と人との繋がりは、常に螺旋だ。
絡み合い、結び付き離れては近付き…

少しずつ、恐れていた事が現実になろうとしていた。


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