あの写真の男性を見た時と同じ様に、アーチェリーの事を考えると激しい頭痛に襲われた!!
何…
何なのよ一体!!
「だ、大丈夫、順子…」
誰から見ても分かる様な作り笑いで振り返ると、涼子に言った。
「大丈夫、引継ぎに行こう」
この時――
私はまだ、記憶の重い扉が開こうとしている事に…
いや、無理矢理こじ開けられようとしている事に、気付いてはいなかった。
その後、特に変わった事もなく、バイトを終えると帰宅した。
23時を過ぎているのに、帰宅しても灯が点いていない…
「ただいま」
玄関を開け、リビングとダイニングの灯を点ける。
父はよく深夜になる事があるが、母が遅いのは珍しい…
私が帰宅して間もなく、母が帰宅した。
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