私には1日だけ、記憶が無い日がある。
その日――
自分は何を見て、何を聞いたのか…
佐知子…
私はあなたの笑顔しか、記憶にない。
翌火曜日――
不安はあったが、いつも通り大学に行った。
今日は、夕方からバイトがある…
夕方、本屋で時間を潰した私はコンビニに向かった。
「おはよう…」
静かに裏口を開けると、涼子がパイプ椅子に座り携帯電話を操作していた。
「あ、おはよう順子!!」
涼子…
私は制服を取り出す為に、ロッカーの前に立った。
先日の事もあるし、十分に調べてロッカーを開けた。
制服も着る前に隅々まで調べる――
よし、今日は大丈夫だ。
制服を取り出して、ロッカーを閉めた。
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