悪質な悪戯なのか、それとも…


考えれば考える程、有り得ない状況に全身に鳥肌が立つ。

私は何度も振り返りながら、足早に駅に向かった。



自宅に帰り着くと、玄関に倒れ込んだ。

周囲に気を配りながら外を歩くのは、精神的にかなり負担だ。

もう、喉もカラカラに渇いていた。


私は重い身体を起こすと、ダイニングに行き冷蔵庫から野菜ジュースを取り出した。


その時、リビングの方で何か物音がした――


ん…?

私はコップを置き、リビングの方に歩いて行った。

リビングを見回すが、特に変わった所はない。


気のせいか…


振り返ると、壁に掛けられていた絵が、床に落ちていた。

あ…
これは私が、幼稚園の時に父に送った絵だ。


あれ、この顔は…?


.