「ありがとう!!」

茜さんは大事そうに鞄に入れると、笑顔で私に言った。


「そういえば…友達は元気?

何て言ったかな…
小夜子ちゃんに、智子ちゃんだっけ?」

「う―ん、まあまあ元気…ですかね」


私が曖昧な返事をすると、明らかに心配そうな表情をして続けた。

「智子ちゃん…
気を付けた方が良いかもね」

確かに智子は心配だ。


え…
なぜ茜さんが?


私が困惑している間に、茜さんはもう一度「ありがとうね!!」と言い残すと、手を振りながら歩いて行った。



私は茜さんの背中を見送ると、直ぐに改札を抜けて電車に乗った。

帰宅すると両親は既に帰宅していて、机の上に置いた筈の写真が無くなっていた…


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