「ふ…」
涼子が少し笑った様な気がした。
私は裁縫針を抜くと、近くに置いてあったティッシュに包んでロッカーの隅に保管した。
しかしこの状況は、偶然針が服に刺さっていたとは思えない…
誰かが故意に?
「順子~
交代の時間になったよ」
涼子に促され、私は店内に向かった。
この緊張感と圧迫感は、去年の事を思い出させる。
あの時は佐知子、今回は涼子――
いや、考え過ぎない様にしよう…
「順子?
早くおいでよ!!」
「うん、今行くっ」
今日のバイトは18時までだ。CDの件もあるし、茜さんに連絡してみるかな…
私はバイトの合間に、茜さんにメールをしておいた。
.



