その後、この日は何事も起こる事はなかった…



しかし翌日の朝、ついに恐れていた事が起きた――


あんなに真面目な智子が、何の連絡もなく待ち合わせ場所に来ない。

最近の様子を考えれば、もしかすると…


一気に不安になり、鼓動が速くなる。

私は慌てて鞄から携帯電話を取り出すと、直ぐに順子に電話をした。


「順子!!
もしかしたら智子が!!」

私の焦った様子から、順子は瞬時に状況を把握した。

「分かった!!
今本町駅だから、引き返すまでそこで待ってて!!」



私は…
いやきっと順子も、中学生の時の事を思い出している。

精神的に追い詰められれば人格が崩壊し、正反対の残虐な人格に変貌する智子を――



智子……


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