そこには、母の肩を抱いて、一緒に泣いている女性の姿があった。
先日高山駅で偶然出会った、孝子と呼んでいた人の様だ。
そしてもう1人、喪服の女性が2人のすぐ側に立っている――
一体誰だろう?
午前11時――
葬儀は予定通り行われ、その後、葬儀場内の火葬場でサトシは天に煙となって昇っていった…
火葬中の母は一点を見詰め、何か他の事を考えている様に見えた。
私達はその日のうちに、都野市の山間にある寂れた墓地にサトシの遺骨を納めると、直ぐに帰宅した。
考えてみると、少し不思議だった。
あの墓地の様子を見ると、随分昔かあそこにあったとしか思えない。
でも、我が家は都野市に全く縁が無い筈だ。
ずっと、北山市の出身だと聞かされてきた。
.



