私達は、都野市の葬儀場へと向かった。
警察の検死も終わり、既に霊安室に安置してあるとの事だった。
葬儀場に到着しても、私達はなかなか車から降りる事が出来なかった。
1時間程して、決意した様に母が車から降りた。私も母の後を追って、車から出た。
葬儀場の自動ドアを抜け、灰色の廊下を更に奥へと進む…
そして、右に曲がった突き当たりにある黒い鉄の重い扉を開いた。
窓も無い狭い部屋。その真ん中に置かれたベッドに、白いシーツを掛けられた遺体――
足がすくみ、入口から中に入る事が出来ない。
そんな私の手を母が強く握り、ベッドの側に歩いて行く…
ベッドの側に立つと、母は顔に掛けられた白い布を上げた。
サトシ――
間違いない。
サトシに間違いない…
母はサトシに寄り掛かり、声を上げて泣いた。
私はそれを、ただ呆然と眺めた…
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