「虫の報せ」と言う言葉があるが、この日講義室に入ってから、妙な胸騒ぎがしてならなかった…


午後の講義が始まる直前、一本のメールが届いた。

母からだ。
珍しい事もあるものだ…


>直ぐに帰れ。


その1行だけのメールを読んだ瞬間、私の心臓が、講義室中に響くかの様に激しく打ち付けた。

嫌な予感がする…



私は直ぐに荷物をまとめると、講義室を出た。

意味もなく先を急ぐ…

なぜか、急がないといけない様な気がした。



高山駅で電車を降り、自宅への坂道も一気に駆け上がった。


自宅の前に母の車。

玄関の扉に鍵が挿さったままで、開いている…


玄関の扉を勢い良く開くと、私はリビングに飛び込んだ。


「どうしたの?
一体何があったの」

母は呆然としていて、視点も定まらないまま床に座っていた…


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