やっとの思いで駅に辿り着くと、ホームに駆け込んだ――



私は肩で息をしながら、自動販売機の横にあるベンチに座った。

ようやく落ち着きを取り戻し、ふと隣りにある自動販売機を見た時、銀色の金具の部分を見てゾッとした。


金具に映る私は、荒い息をしている自分をよそに、平然と座っていたのだ!!


慌ててその場を離れようとする私に、私が話し掛けてきた。

「小夜子…
あなたは、本当に小夜子?

その事に自信はあるの?」

「あるわ!!
私がオリジナルよ!!」


分かっている…
そんな事は、分かりきっている!!


それでも、私の頭の中は徐々に混乱し始めていた…



私はホームに入ってきた電車に飛び乗り、急いで帰宅した。


「おかえり、早かったのね」

母は呑気に、テレビを見ながら声を掛けてきた。


その態度に苛々して、私は直ぐに自室に上がった…


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