「……………子…


…………智子…


智子起きなさい!!」


ん……


あれ…
ここは自宅の居間?


「智子、今寝ていたら夜寝られなくなるわよ!!」


母さん?

「あ、うん…」


私はいつの間に、帰宅していたのだろう?

あれは…夢?
凄いリアルな夢だったなあ。


私は起き上がると、鞄を持って自分の部屋に上がった。

鞄を机の横に置き、携帯電話を充電器に置いた。


机の上に置いている鏡が目に入り、異変に気付いた。

首の左側に、何かで引っ掻いた様な切り傷が一筋…

な、何これは――?


よく見ると、鋭利な刃物で切られた様な後だ。

あれは、夢ではなかったんだ…



なぜ、狙われないといけないのか?

この時の私には、まだよく分からなかった…


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