斬り取った首を供養し並べた――

雑誌の説明には、そう書いてあった。


塚と祠から流れ出る異様な空気に、私は思わず背を向けた。

取材に写真なんて、とても撮れる様な状況ではない…


止めよう。心霊スポット特集なんて…

そう決め、この場を離れる前に、塚と祠に手を合わせようと私は振り返った。



え――


背を向けたほんの短い間に、祠の前に老婆がこちらを向いて座っていた!!

いつの間に…
一体どこから…


混乱した私の脳裏に浮かんだのは、先日自宅の前で消えた老婆だった。


そ、そんな!!


しかし、見れば見る程、あの時の老婆にしか見えない。

肩までのまばらな長さの白髪…白い薄い着物に、白い帯。
白い草履に紅い鼻緒――


こんな姿の老婆なんて、他にいるはずがない!!


一瞬にして、全身に鳥肌が立った――


.