大学の講義が終わり、私はスタジオGIGに向かった。

そろそろ、あのCDが完成している頃だ。



薄暗い階段を下り、重い木の扉を開けた。

いつもの様に、不機嫌な表情でオーナーがベンチに座っていた。


「こんにちは!!」

オーナーは振り向いて、笑顔を見せた。
「おお、そろそろ来る頃だと思ってたよ。
あのCD、ちゃんと出来てるよ!!」


私は早速、【one】のCDを見せてもらった。

売り物ではないから真っ白だけど、確かにCDが完成していた!!


「ありがとうございます、オーナー!!」

オーナーは少し照れながら言った。

「いやいや、私も1枚貰ったし…
それに去年、大変な事に巻き込んでしまったしね。

それで、一応5枚作っておいたから、友達にあげれば良いよ。

マスターCDは、こちらで保管しておくからね」


私はオーナーとハイタッチをして、喜んだ。


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