「まーね。暇さえあればいつでも。考えて考えて作るよりもパッて浮かんできたメロディがすごくよかったりするんだ。サビができちゃえば一曲できるのはあっとゆうまでさ、気持ちいいんだよね」 彼女はまだ木漏れ日を見上げている。 手を開いたり閉じたりしながら指の間から溢れる光を楽しんでいるようだ。 ふと何かに気付いたかのようにぱっと俺に顔を向けた。 その動きについていけなかった彼女の短い髪が一瞬ふわりと浮く。 「晴樹くん、これ歌ってよ」