奏太の質問に、あたしにも沸いてきた好奇心。


「うん…する…」


長身の奏太が少し屈む。


整った彼の顔が、あたしに近付いてくる。


彼の前髪があたしの額に当たり、反射的に目を瞑って


――ゆっくりと、唇が重なった。



初めて唇に触れる、他の人の唇の感触。


柔らかく、ほんのり温もりがある。


ゆっくり、唇が離れていく。



心の隅で、“もう一度”という気持ちが現れる。



「すげ、柔らかけ…」


「うん…」


奏太は自分の唇に触れる。


「何か、もっかいしたくなる」


「…あたしも」



ふと、奏太と目が合う。