校門を出てすぐ、大きな水たまり。 「水たまり入んなよ」 「分かってるよ」 そのとき、道路を乗用車が走った。 ―――バシャッ 「…え」 あたしと奏太に掛かった水。 奏太のふわふわとした髪が、しょんぼりしている。 「…最悪」 「…だな」 あたしの家まで最低でも20分かかる。 風邪覚悟… 「美空ん家より俺ん家のが近いし…」 奏太が言いたいことは分かる。 これってどう考えても―――… 「俺ん家、行くか」