「ま、美空は黙って三島くんに送ってもらいなさい!じゃ、あたし帰るから。ばいばい」 「ば、ばいばい…」 そう言って那奈は帰っていった。 「…美空?」 「う、えっ?」 突然呼ばれた名前により、マヌケな声を出したあたしを見て、奏太はフッと笑った。 「帰るぞ?」 「うん」 奏太が歩くのと共に、彼のハチミツ色の柔らかそうな髪が、微かに揺れた。