その日は雨だった。



「あー…雨降っちゃった」


放課後

那奈が窓の外を眺めて呟いた。


「ほんとだあ…」


「あたし、傘持ってたっけ…」


那奈はスクバをガサガサと漁る。


「あったあった!美空は持ってきた?」


「ないやあ」


「え、あたし送ってあげたいけど、逆方向だし…友華は帰っちゃったしなあ…」


那奈は困ったように考え出した。


「大丈夫だよ?あたし濡れて帰るし」


「えぇ…」




―――ガラッ


「お、風波(フナミ)と美空」