「遅かったな」 先生は、何も怪しまずに声をかけた。 「すいません」 奏太が言う。 「ま、平気だ。席に着け」 あたしと奏太は席へ着く。 「何やってたの」 こっそりと、前の席の友華が話しかけた。 「や、どこにあるのか分かりづらくて」 「ふーん…」 友華は納得のいかないようだった。