「は?何もしてないけど」


打ったところを労るように頭を撫でながら言うハルさん。

聞いた瞬間にわなわなと震える私の両手。

だってだって…

確かにあなた…!


「いきなりキスしてきたくせにぃー!」


―――――
――――


「あ、ありえない!」


ハルさん偽装疑惑(勝手に命名)から数10分後。

私は顔を真っ青にしながら絶叫していた。

そこをお兄ちゃんにとめられ口元を押さえながら落ち込みポーズ。

向かいに座るお兄ちゃんは呆れ顔。

実際見てないけど絶対そうだ。


「ありえないよ!
キ、キス魔なんて信じない…!」




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