「ごめん……」
下げた両手を合わせて俯きながら、謝る。
左に傾いている自分の影が頼りなさ気に視界に入った。
「なんやねん、お前らしないなぁ」
修二は僕を引っ張るとき投げ出したらしい自転車を持ち、相変わらずフニャっとした笑顔でこっちを見た。
よかった、怒ってないみたい。
「なぁ裕梨、暇ならちょっと手伝ってくれや」
そう言い自転車に跨がった修二。
僕は急なことで訳がわからず、眉を潜めた。
「今なら二人乗りのサービス付きやで!」
……それサービスじゃないじゃん。
喉まで出てきたその言葉を無理矢理押し込めて、大人しく荷台に触れる。
「お前後ろ向きで乗んなや。また落ちるで」
「そんなことしないよ!」
膨れっ面で言った僕の言葉に、前にいる修二は背中を震わせて笑う。
僕が服をグイッと引っ張ると、修二は苦しそうに咳込んだ。
自転車が走り出してからも、どうして修二が白い服を着ているかわからなかった。


