キミヲモイ。


いつもなら犬の散歩をしている老夫婦や、赤ちゃんを連れてる女の人もいるのに、今日は人っ子一人いない。

何かあったのかな。


とりあえず、ジャングルジムに手を掛ける。

今見ると昔より低くて小さい。

少し登っただけで頂上に着いた。


「うわぁー」


それほど高い景色じゃないけど、いつもと目線が違うから新鮮。

なんだか、気持ち良く歌えそうだな。

まだ眠い目を擦って、ジャングルジムの一番上に堂々と座った。


♪〜♪

幸せってあるんだねここに

実感ないけど
ちゃんとここにあるんだ


大丈夫、怖いものなんてない

♪〜♪


あ、目を閉じると心地良い。

スッとした冷たい追い風が背中を押してくれていたような気がした。


――実際、まだ夢うつつな僕にはそれも強く感じた。