「アケミ!」
隣のクラスの卓くんが入ってきた。
「タッくん」
「よぉ、牧瀬。おまえらほんと仲良しな」
「おはよ、卓くん」
アケミが卓くんのワイシャツの裾をつかむ。
こういうしぐさがかわいいと思う。私にはできない甘えるかわいい女の子。
アケミは私がこうなりたいなと思える女の子だ。
「ねぇ、今日の花火大会三人で行かない?」
アケミが突拍子もなく言い出した。
「えっ。いいよ!私お邪魔だし!二人で行っといでよ」
「俺は別にいいよ。たまには三人で行くか。アケミと二人ならいつでも行けるもんな」
アケミが笑顔でうなずく。
アケミは純粋に三人で行きたかっただけなのかもしれないけれど、私はやっぱりさすがに気まずかった。

