「なんでかわからないけど、あの時そう思ったんです。
まるでこうなることを…未来に何が起こるのかを知っていたみたいに。
今だってつらいけど、苦しいけど、何も後悔してないんです。
隼人に出会えない幸せと、隼人に出会える不幸なら、私は少しも迷わずに不幸を選べます」
刑事は溜め息をついた。
「最近の若い子は、愛を知らない子が多いとよく言われるけど、私はそうは思わない。
むしろ我々の世代の人間よりも深い愛を持っている。
深く愛されたいと思っている。
でもその想いの大きさ故に過ちを侵してしまう若者が非常に多い。」
「…あの、アケミは今どうしてるんですか?」
「彼女も取り調べを受けているよ。
重要参考人だからね」

