「メール返せなくてごめんね〜」


予想通りアケミは少し申し訳なさそうに笑いながら話しかけてきた。


「ううん。忙しかった?ごめんね」


「ん〜ん。ちょっと疲れててさ。んで!?社会人とはどぉなったのぉ?」


アケミやシオリの間で隼人は『社会人』という呼称になっていた。


「そっかぁ。夏花、よかったねー!」


明るい笑顔でそう言ったあと、アケミは急に声を落とした。


「ねぇ、夏花…。

無理してるとか、ないよね?」


「え?無理?」


アケミは、じっと私の目のまたその奥をのぞきこむように私を見た。


「たっくんのこと…まだ好きとか」


「まだ気にしてたのー?

もうほんとに私は大丈夫だから。

アケミとたっくんはお似合いだなって本当に思えるし」


「…そっか。

じゃぁー、今度ダブルデートじちゃぉっか」


「サオリと彼氏くんも入れてトリプルは!?」


「それいい〜!」


私とアケミはそんな話でずっと盛り上がっていた。