「土日は普通に休みなの?」 「う〜ん、仕事が順調に行けばね。 けっこう忙しいんだよ、広告代理店って」 そんな忙しい中、大事な休みを私のために空けておいてくれたのがうれしい。 「髪、サラサラだね」 「え?髪?」 「うん」 そう言って彼は風になびく私の髪に少しだけ触れた。 「俺、長い髪好きだな」 彼が好きだと言ったのは長い髪で、私のことではないのに、顔がほてってゆくのがわかる。