「なっちゃん聞いてるー?」


「あっ、うん聞いてる聞いてる!」


彼は私を夏花って呼んだり、夏花ちゃんと呼んだり、なっちゃんって呼んだりする。


その度私はドキドキする。


色んなドキドキを彼はくれる。


「じゃぁ11時くらいー?昼飯は隼人お兄さんがどっか食いに連れてってやるよ」


「えっ?何?」


あははっと携帯の向こうで笑う彼の声がした。


「なっちゃぁん、やっぱ聞いてないじゃん」


「えっ、ごめん、えっ?何?」


「だぁからぁ、土曜ヒマ?俺ん家おいでーって」


「行くっ!!」


つい抱えていたクッションをテーブルに向けて投げてしまった。


ガシャガシャとテーブルの上のものが倒れる。


「うわぁっ」


「何してんだよ〜」


また彼の笑い声が聞こえた。