「きのうは取り乱してすみませんでした」


「いや、よく眠れたかい?

まぁ…あの部屋じゃくつろげはできないだろうけど…」


もう見慣れてしまった光景。


狭い取り調べ室で柔和に微笑む刑事の向かいに座る。

カツ丼が出てきたり…ということはない。


アメとムチで優しい刑事さんと怖い刑事がいるわけでもない。


…なんて考える余裕が出てくるくらい大分落ち着いてきた。


「一晩眠ったら、だいぶ楽になりました」


「そうか」


刑事はまたにっこりと笑い、いつものようにシンプルな柄のコーヒーカップを口に運んだ。


この人専用のものなんだろうか。いつも同じものを使っている。


「…隼人もコーヒーが好きでした」


刑事は驚いた顔を私に向けた。