キーン――…… 『うっ……』 ザワザワという頭の中の雑音が 記憶を掻き回す。 〈リトア、ザード、マロン、グラッセ………〉 一気に、聞き覚えの無い名前が 頭にフラッシュバックのように浮かび上がる。 『何よ、これ。』 あり得ない、私が記憶喪失なんて。 ただ、緑の丘に 広がる見知らぬ街並み。 ただ、恐怖感に襲われる私。 『……いやぁぁぁぁっ――……!!』