ある一定の音で、こちらに近づいて来る足音。 ひんやりした空気は少し汗ばんだ手のひらを乾かしてゆく。 『クックックックッ・・・。』 あと数メートル程の所だろうか。 アルスの嘲笑うかのような笑い声が、バラモンの廊下中に広がる。 『アルスなの?』 『紋章ごと、歩いて来るのと同じですね。リトア・パール。』 そして、立ち止まる。