私の願いなんて所詮、叶わぬ夢だと知った。
私の存在価値は、ストレスの捌け口だった。
告白など出来ないと、諦めていたけれど。
もう…、すべてを打ち砕かれてしまった。
婚約者の存在が、社長から示されたコトで・・・
「…っ――」
茫然自失の中で、辛うじて涙を堪えていた。
この涙の行き先は、何処にもナイから――
「何処から、漏れたのかは知らないが。
蘭は、何も知らないと言い通すように――
・・・いいな?」
「…っ、ハイ――」
業務的に話す社長が、現実を知らしめる。
「…この話は以上だ――」
「ハイ、かしこまりました・・・」
絞り出した声に、気づいてイナイよね?
社長に縋れる余地など、私に寸分も残されない。
すべては、婚約者を守るためのモノ・・・
これこそ本当の…、別離になるんだね?
それからの車内では、BGMだけが響いていた。
ラブ・バラードが、私を退かすかのように――