拒絶されたように思えて、心がグッと締めつけられる。


一筋の光芒が見えた気がしたのは、気のせいだったのね。



やっぱり、妾の私の態度が気に入らなかった…?


それなら、どうして私を引き寄せるのよ・・・



「っ・・・」

止まったハズの涙が、またしても込み上げてくる。


この状況の理由は、何処にあるの――?



暗闇の中で街灯に照らされて浮かぶ、二つのシルエットと車。


閑静な高級住宅地に不釣合いな、重苦しい空気を放つ私たち。


どこにも光を求めるコトなど、ムリだと言うのに・・・




「後藤さん、申し訳ないが・・・

俺は戯言を信じるほど、優しい人間では無い。」

静寂を切り裂いたのは、変わらずに冷たい拓海の声。


「ハッ…、どういう意味だ?」

すぐ背後で聞こえたのは、侮辱ともとれる高笑いの返事で。



「真意すら見抜けない貴方とは・・・

これ以上お話しする事はありません。」


「何だと・・・!?」


「今日はこのままお引取り下さい。

こちらもそろそろ、限界ですので…」


淡々と話しながら、ギュッと強く引き寄せられる私。




拓海、どうしたの・・・?