拓海に呆気なく、別離を是認されてしまう――
婚約者や後藤社長が齎す言葉など、比べモノにならない。
拓海のOKという一言は、あまりに重いよ・・・
「流石、東条家の若社長・・・
引き際ですら、スマートだな?」
ククッと笑う後藤社長の声が、車内で木霊する。
「ッ・・・」
拓海を侮辱されて許せないのに、それでも言い返せない私。
現実を受け入れられずに、反論も出来ナイ…。
「ッ…、うぅっ・・・」
辛さに堪えきれず、簡単に嗚咽が漏れてしまった。
ツーと伝い落ちる涙が、あまりにも虚しい結果を表していて。
過去も、現在も、未来も…、すべてを流してしまうよう。
私の願いも未来も…、これで完全にシャットアウトされた。
拓海への想いを、これで寸断しなければならない…。
「…っ、ヤ・・ダ・・」
行き先が決まってから、ポロリと零れる想い。
本音が漏れようが、どうにもならないのに・・・
「ハァ…、やっと言った!」
溜め息とともに、鼓膜を揺らす甘い声が届いた。
え・・・・?

