抜群の容姿ながら、類稀なる能力と放つオーラによって。



既に誰も侵すコトの出来ない、確たる地位を築き上げた社長。




跡継ぎという重圧をスルーし、今日もまた羨望の眼差しが注がれる。





同様にして、ヒソヒソと話す声が聞こえてきた。



その彼の後ろを俯き加減で歩く、私への悪口が・・・






“重役出勤なんて、新人のクセにイイご身分よね?”



“何様だと思ってんのよ?”



“ていうか、何であの子が社長秘書なの!?”



“あぁ、それはね…――”






“社長の召し使いだからよ!”




「っ・・・」


ズキッと痛みを覚えた心臓に、虚しさだけが募っていく。




すり込みされるほど聞かされようとも、絶対に慣れない言葉で。




どれだけ我慢しようとも、やっぱり堪えてしまう…。