私の微かな期待・・・?
後藤社長の言葉に、思わず苦笑してしまう。
期待が出来るのならば、どれほど幸せか――
そんなモノがあれば、私は此処にはイナイ。
まして、後藤社長との結婚を受け入れなかった。
期待を持てる立場であればという、仮定話だけれど・・・
この世に生を受けたトキから続く、拓海と歩む日々のピリオド。
あまりにも惨い、愛別離苦の感情に晒されている私。
もしも、後藤社長と出会わなければ・・・
拓海の傍で…、妾としてでも、時間は続いていたハズで。
ただただ密かに、拓海を愛していられたのに――
「本当に考えている事が、手に取るように分かるね。
今はそうだな…、結婚を断わろと考えているかな?」
「え・・・」
空想も、邪心も、思慕も、すべてを見透かしたうえでの言葉。
口元に浮かべた冷笑が、私の心をさらにクリアにさせていく。
「ハハッ、それも今のうちだよ。
俺は【気に入らなければ、敵に回る】と忠言しただろ?
このポリシーは、たとえ蘭でも曲げられない…」
「っ――!」
今までにナイ、ドライアイスのような瞳を向けられた。

