手錠から解放された薬指は、異様な軽さと爽快感を覚えた。



きっと、それは・・・


リングに籠められた、重責や今後を剥ぎ取られたからであって。



これから背負うモノの大きさを表すモノだと、思い知らされた・・・




「ッ――!」


ホッと安堵したのも束の間、その指に社長の指が絡んで来た。



リング痕を消し去るように、薬指だけを集中的に攻められて。


そのしなやかな動きに、私の熱も一点へと注がれていく。




甘さと、熱情さと、愛しさが混ざり合う・・・




「・・・っ」


指を絡ませるだけの行為で、立っていられないほど芯から熱くなる。



ブラウンの瞳で、ジッと私を見下げているかと思うと。


ドクドクと激しく脈打ちながら、続きを求めてしまう・・・




グイッ――

絡まる手はそのままに、社長が私の腰を引き寄せた。



「っ・・・」


緩められたネクタイだけを、視界は近距離で捉えている。


それでなくても、ホワイトムスクが一層香り立って。



気を失いそうなほど、香りに酔いしれているのに――