アノ時のまま、幸せなままだったら。
未だにそう考える自分が、オカシイよ・・・
「それじゃあ、行って来ます」
「くれぐれも、粗相のないようにね?」
「っ…、ハイハイ!」
恒例となった、玄関前でのやり取り。
これさえも、きっと今日でお仕舞いだね。
右手の薬指に嵌ったソレが、その証拠・・・
自宅を出た私は、そのまま公園へと向かった。
身支度を早く終えたのも、その為で。
最後の最後に…、此処へ来ておきたかった。
ありふれた公園だけれど、大切な場所。
昨日の夜に降った、どしゃ降りの雨のせいか。
ベンチは雨露に濡れて、今日は座れなかった。
そうして立ち尽くしたまま、空を見上げた。
今日は星空ではなく、太陽が眩しいね・・・
「っ…、ありがとう――」
貴方に出会えて、ホントに幸せだった。
何もかも、忘れはしないから――

