何処へと、向かっているのか――
そんな問い掛けは、はぐらかされたまま。
腑に落ちないのに、押しが弱くて聞けず仕舞い。
でも、それだけではなくて・・・
話を切り出すには、彼を呼ばなければならなくて。
出来る限り“雅貴さん”とは、呼びたくナイ――
会社関係の知人で…、ギリギリまでいたい。
社長との別離を、まだ認めたくないと思っていて。
もの凄く身勝手で、諦めが悪いのに・・・
だから私は…、あれからずっと黙っていた。
ボーっと車外の喧騒を、眺めていると。
休日でごった返す、銀座が目的地だったらしい。
あるブティックの前で、スーっと静かに停車した。
そこは誰もが名を知る、世界的な超高級ブランド。
・・・後藤社長は、買い物に立ち寄ったようだ。
関係無い私には、答える必要がナイよね?
結論を導き出せたため、些か安堵してしまう。

