コピー

校長の『講義が終わったらまたここに来るように。』という言葉で会話は終了し、僕と先生は校長室を後にした。

僕は相変わらず少し距離を取りながら先生について行く。

昼休みは終わりに近付いているようで、いたら僕たちを避けるだろう生徒たちは廊下にはいなかった。

先生が立ち止まり、ドアを開けた教室は2―D。

記憶と同じクラス。

先生は
「適当に座れ。」
と言って僕を中へ招いた。

前にスクリーンのような機械があり、それを半円状に段になった幾つもの机が取り囲んでいる。

僕は机と机の間の階段を登って、空いている席に座った。

その時チャイムがなった。

ギリギリだったらしい。

手元にあった液晶パネルが突然光り、『タッチして下さい』と表示する。

指示通りして、しばらくすると先生が
「よし、全員いるな。」
と言って授業を開始した。

さっきのは出席を取るためだったらしい。

先生は機械のスイッチを入れ、それを操作し、機械の前面に立体像を出現させた。

それを回転させたり、切断したり一部分を拡大したりして細いところまで解説しながら、小難しい数式や未知の言葉をしゃべる。

開始五分で眠くなったのは言うまでもない。

だからと言って本物の近藤拓郎は授業中に寝たりしないだろうから、僕は講義を聞き続けるしかなかった。

僕の脳を、この世界に適していないように作った『近藤拓郎』を少し恨んだ。