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先生はドアを開け学校の中に入った。

校内は土足でそのまま入ることが出来た。

僕の記憶の中の学校と同じである。

制服は大丈夫なのだろうか。

僕の着ている服は、僕の記憶の中にある世界の僕が着ていたもののまま。

つまり、僕の記憶の中の学校の制服だ。

「えと、制服って…」

「心配しなくても、それが我が校の制服だ。」

それもそうか。

僕を作ったのは『近藤拓郎』で、その目的は自分の変わりをさせることなのだから、自分の学校の制服を着せているのは当たり前か。

それに、もし違う制服だったら、ここに来る前に先生が気付いている筈だ。

ここら辺は僕の記憶の中の世界と実際の世界とが一致しているようである。

「ここからは怪しまれないように、私に話しかけず黙ってついて来い。」

僕は先生と少し距離を取って、先生に合わせて足早に歩く。

1―A、1―B、1―C…

学級の区分の仕方は同じような感じだ。

それにしても、各クラスの間隔がヤケに長い。

中はかなり広いのだろう。

教室の中を見てみたかったが、先生はどんどん前に進んで行くので、ついて行かざるを得なかった。

先生に威厳があるのか、『近藤拓郎』が恐れられている存在なのか、廊下にいた生徒達は皆、僕たちを避けた。

やがて、先生は校長室と書かれた部屋の前で立ち止まった。

先生は校長だったのか?

校長はもっと年を取った人が就く職業だと言うイメージがあったのだが。

先生がドアに備え付けられた、電卓やケータイについているような数字パネルを軽やかに叩くとドアがスライドし、部屋が開けた。