不意に義久が..
「そういやそこの公園に女の子いたよな!!」
それは僕も見た。
ブランコを漕ぐ女の子。
でも俯いてどことなく悲しそうな様子だった..
6〜7歳くらいのその子はたった一人でいた。
「大方親とでも喧嘩したんだろ」
「それなら俺もみたぜ悲しそうにしてたけど、俺は餓鬼には手を出さない主義なんで」
プレイボーイの隆治の言葉に義久はおかしな顔をした。
「なにいってんだ??あの子笑ってこっち向いて手まで振ってきたじゃないか」
義久の発言に僕はびっくりした。
「僕が見かけた時は俯いて悲しそうだったけど..」
隆治も続いて
「確かに悲しそうにしてたぜ??一緒に公園前通ったじゃねーか。少なくとも笑ってなかったし、手なんて降らなかったぜ??」
僕と隆治には悲しい顔...
義久には笑った顔をしていたらしいのだ...
「なんか気味わるくね??」
「帰ろか..」
「ああ」
帰り道はあの大東公園を通る...
ドキドキ...
心臓の鼓動が高鳴ってくるのがわかった。
.


