「・・・亜子」 鳴海が、亜子の名を呼んで。 気がつけば、彼女は彼の腕の中だった。 気に覆われた、木陰の公園前。 不思議なくらいに、先輩の腕の中は冷たかった。 火照ったからだが、少しずつ冷えていく。 「・・・先輩・・・??」 喉から、声を絞り出す。 なるべくはっきりと言おうとしたけれど。 出てきたのは、かすれた情けない声だった。 鳴海が、亜子を抱きしめる力を強めた。