はぁはぁと、大きく息を吐く。 闇夜に、俺の体はくるまれていた。 拳には、血。 俺の血だけじゃない。 目の前に倒れている―――3人の男の、血。 男達はみんな、うつぶせに倒れていた。 顔は、よく見えない。 ただ、血で汚れ、赤く腫れているはずだ。 男の血と、切れた俺の拳の血が、混ざり合う。 舌で、ぺろりと舐めてみる。 不思議に、味はしなかった。