愛は別に特に
好きな作家が
いるわけではなく、
表紙のデザイン、
タイトルのイメージから
適当に本を選んで
読むタイプだった。
彼女はまず、
”作家さんなんて
みんなプロなんだから、
本来外れなんてないはず”
という、なんとも
素人的な考えを持った
人物だった。
「……ぁ。」
愛は小さく声をもらした。
愛が以前、
TVで見かけて
1度読みたいと
思っていた本があった。
しかし、随分と
上の方に陳列されていて、
身長158cmと小柄な
彼女には、
背伸びをしても
届きそうにはなかった。
脚立も、
近くには見当たらない。
「……はぁ。」
諦めるしかないか、と
思った瞬間、
彼女は近距離に
人の気配を感じた。
それとともに、
ほんのりと
男物の香水の匂いが
鼻をかすめた。
好きな作家が
いるわけではなく、
表紙のデザイン、
タイトルのイメージから
適当に本を選んで
読むタイプだった。
彼女はまず、
”作家さんなんて
みんなプロなんだから、
本来外れなんてないはず”
という、なんとも
素人的な考えを持った
人物だった。
「……ぁ。」
愛は小さく声をもらした。
愛が以前、
TVで見かけて
1度読みたいと
思っていた本があった。
しかし、随分と
上の方に陳列されていて、
身長158cmと小柄な
彼女には、
背伸びをしても
届きそうにはなかった。
脚立も、
近くには見当たらない。
「……はぁ。」
諦めるしかないか、と
思った瞬間、
彼女は近距離に
人の気配を感じた。
それとともに、
ほんのりと
男物の香水の匂いが
鼻をかすめた。

