Last Love

「今日は本当に

 ありがとう。

 おかげで、ちょっと元気出た。」

2時間程度だろうか、

2人はお互いのことを話した。

「あんまり溜めこみすぎないで。

 なんかあったらオレに言って?

 相談とか乗るからさ。」

「うん……本当にありがとう。

 でも、あんまり頻繁に

 会わない方がいいかな?

 彼女さんに嫉妬されちゃう。」

「オレの?

 あぁ、オレここ1年くらい

 彼女いないんだ。」

驚いた。

こんなにカッコイイんだもん、

恋人くらいいるはずだと、

ずっと思っていた。

「それを言うなら、

 愛ちゃんの方こそ

 心配されるんじゃない?」

オレみたいな

どこの馬の骨かわかんないヤツ、と

櫻井は苦笑いしながらいった。

「平気。……それに、

 今少し迷ってるの。

 結婚とかよくわからなくて。

 だから、今日悠くんに

 話聞いてもらえてよかった。」

じゃあそろそろ行くね、と

愛は櫻井に手をふり、

その場所から遠ざかっていった。

櫻井は、

そんな愛の後ろ姿を

愛しそうに見つめていた。