好きな人とクラスが変わると全然おもしろくないものだ。
前はいつも、自分の席から好きな人をずっと見てた。

だから、山橋が笑うところも、問題が解けなくて困ってる顔も知っている。
我ながら…「自分きもいっ!」って思うけど

いつのまにか、いつも視線はあなたばかりさしていた。
私の心もあなたのものだった。

いつも見ていたから…私は山橋が好きなことクラス中に広まっていた。
だけど、山橋は鈍感なのか私が山橋のこと好きって言うことはわかってなかったみたい。

山橋の笑顔見るたびに私も笑顔になった。
山橋が、悩んでいると力になりたくなった。

でも私の力は必要としてないのかと思う。

「なーに?ぼ~~っとしてんよ!」と唯奈が私の背中を叩きながら言ってきた。

「あっ・・・うん」と私は返した。

「山橋のことでもかんがえてたのぉ~?」と嫌らしい顔で私の耳元でつぶやく。
「ち…ちがうわよ!!!!!」と私は動揺を隠せない。

「もーぉばればれよ~?」と人差し指でつついてくる唯奈。
ってか今何の時間だろう?

「あんたってば今はもうー…次数学だけど自主学習だって。」
あぁーだから唯奈は自分の席からたっているのね。
ようやく状況をのめこめた私は、自分の机から数学の教科書とノートを取り出した。
「えっ?あんたもしかしてまじめさん?っちゃんと勉強するの?」と丸い目で聞いてくる唯奈。

「もちろん?」と私は少し笑いながらいった。
「えぇ?話そうよ!」と私の前の男子の席に座った唯奈が言ってきた。
「あぁしょうがないねぇ~」と私は子供をあやすようにいった。

そんなこんなで話す感じになってしまった私。

「んでんで~最近どうなのよぉおん」と冷やかした目で唯奈は言ってきた。

「んー・・1年の時から進展ない感じかな?もうー思い切って告白でもしようかな」
思い切ったことを私は言った。

「まじでぇええ?!頑張って!もう応援しまくるわー!」

そんな声…大きいって…って思ったけどせっかくの気持ちだし、何も言わないでおいた。

「うんー!ありがとね」私はニカッとした笑顔で言った。
教室は、すっごくうるさくて男子が騒いでいた。

そんな教室もなんだか好きになってきた。

そんな時だった。