トントン。

私は肩を叩かれた。

「はい?」

私は後ろを振り向いた。


そこにいたのは、名前を知らない、他クラスの男子だった。

前には、橋本、西口、里奈が歩いて行く。

こんなところで、とまってたらおいていかれるのに・・・

何だよコイツ。

「おれの名前しってる?」

なにこいつ・・・知ってるとか?第一声がそれ?

「…しらない。」

少し不機嫌に答えた。

コイツは、私の顔色をうかがっていたのか…

「ごめん。おれの名前は山崎竜也。」

謝ってきたけれど、自己紹介してきた。

「俺は、桃ちゃんのことしってるよーん」

このテンション何?

ありえない。

かるっい。

「とりあえず私行くから。」

私が走って、里奈たちのところへ行こうと瞬間。

腕を掴んできた・・・。

「だから何?」

「じゃ俺も一緒に行っていいーっ?」

なにコイツ…。お前らのグループでいけよ…。

「知らない。」

私はそう言って走ると、やっぱりついてきたコイツ。

「りなーっ!」

里奈を呼んで私は、さっきまでの事情を話すと、

里奈は小声でいってきた・・・。

「山崎くん・・・もてるよ。しかも、ちょーもてる、こんなのゲットしたの?!」

はっ?ゲットも何も…

「もー何もないってー」

私は里奈の背中をたたきながら言った。

「山崎くんも一緒にいくーッ?」

里奈が後を振り返り、山崎というコイツに話しかけた。

「おれもいく―だって桃ちゃんいるもーんッ。」

ありえない。

私は無視し続けた。

「ももぉー?何で無視するのぉ?」

里奈が私の耳元でつぶやく。

「きもいから。」
私はあっさりそういった。

「かっこいいじゃーん。私ちょータイプ。」

「ぁっそーぉ・・・。」

私はあきれた。

こんなやつ…誰が好きになるものか。

好きになる?!

好きになるわけないから。

好きになったら・・悩みの種が増えるじゃない。

ってか…好きにならないから。