「…どうですか?」
翔が声をかけてくれるまで、言葉を発するのを忘れていた。
すごく綺麗に写る私…。
まるで私じゃないみたい…。
桜とのバランスも絶妙で、私みたいな素人でもすごいなって思える写真だった。
「これ…本当に私…?」
思わず感想じゃないことを口走ってしまった。
「間違いなく優海さんです。僕のお気に入りの写真なんですよ。」
一緒に写真をのぞく翔は嬉しそうだった。
この写真見た時から、私の中に“好き”っていう気持ちが生まれた気がするんだ…。
翔の気持ちが込められた、温かみのある写真を見た…
その時から……。


