今日も目の端に
君が映る。
駅のホームは
人でいっぱいなのに
君を見つけ出すことは
こんなにも
簡単。
いつからだろう
いつから
あたしの目は
君を
探すように
なったのだろう。
きっとそれは
3ヶ月前の
あの日からーーー。

ーーーーー3ヶ月前。
その日、仕事に向かう
あたしの体調の悪さは
ピークを迎えていた。
あまりの気持ち悪さに
ベンチに座っていた。
そのときだ。
君があたしに
声をかけてきたのは
『大丈夫?』
そうやって
あたしの顔を
心配そうに覗き込んできた。
『顔、真っ青じゃん。』
そう言って
近くの病院まで
連れて行ってくれた。
結局、寝不足と疲労だったけど、
あたしは君のおかげで
助かりました。
でも
体調もだいぶよくなって
病院を出るころには
君の姿はなかった。
あたしを見てくれた
医者に聞くと
『彼、今日大事な会議が
あったらしくて
君が寝たのを確認したら
お金だけ払って
走ってたよ。』
その言葉に
あたしは驚いた。
そんな大事な会議に遅れてまで
君はなぜ
あたしを助けてくれたの?
その疑問と感謝の言葉さえ
いえなかったという
思いがあたしの心に残った。